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MRP完全ガイド:資材所要量計画について知っておくべきポイント

第2回「MRP(資材所要量計画)はどうやって導入していくのか?」

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今回の記事は前回に引き続きMRP(資材所要量計画)の導入に関するガイドをお届けします。工場でMRPを利用している人も多くいるかと思いますが、気が付けば当たり前に存在していて、どうやって導入するのか?などと考える機会は少ないでしょう。また、MRP自体をこれまで導入していなかった工場ではどうやって導入すればよいかのナレッジ、ノウハウも不足していると思います。今回は、MRP導入の進め方について触れていきたいと思います。

第3章: MRPはどうやって導入していく?

この章ではMRPをどのように導入していくのか?について学んでいきます。

システム導入というと、どうしてもシステムインテグレーター任せになってしまいますが、導入成功のためにはユーザーである皆さん方の関与が不可欠です。

導入前の準備

MRPシステムの導入を成功させるためには、事前の準備が非常に重要です。以下のステップを踏むことで、効果的な導入が可能となります。

現状分析:

現在の在庫管理や生産管理の状況を詳細に分析します。これには、在庫の過剰や欠品の原因、現行の生産スケジュールの問題点、使用しているシステムの性能評価などが含まれます。現状を把握することで、MRP導入の必要性と導入後の期待効果を明確にします。

 

目標設定:

MRP導入の具体的な目標を設定します。これには、在庫削減、生産効率の向上、コスト削減などが含まれます。目標を明確にすることで、システム導入後の評価基準を設定することができます。

 

システム選定:

市場にある複数のMRPシステムを比較し、自社のニーズに最も適したシステムを選定します。これには、システムの機能性、拡張性、サポート体制、コストなどを考慮します。選定プロセスでは、デモンストレーションやトライアルを行うことで、実際の運用感を確認することが重要です。

導入プロセス

MRPシステムの導入は段階的に進めることが推奨されます。以下のステップを経ることで、導入リスクを最小限に抑え、効果的なシステム運用を実現します。

PoC(概念実証)/Fit&Gap(適用設計):

まずは小規模なプロジェクトとして、PoCもしくはFit&Gapを実施します。これにより、システムの適合性や導入の可否を確認します。PoCやFit&Gapでは、システムの基本機能が期待通りに動作するかをテストし、必要なカスタマイズや改善点を見つけます。期間は通常1~3ヶ月程度です。

テスト導入:

PoCやFit&Gapの結果を基に、システムの改善を行い、次にテスト導入を実施します。この段階では、より広範な業務プロセスにシステムを適用し、実運用に近い環境でテストを行います。テスト導入により、残された問題点を洗い出し、最終的な調整を行います。

本導入:

テスト導入が成功した後、全社的な本導入を開始します。これには、システムのフルスケール展開、従業員へのトレーニング、運用マニュアルの整備などが含まれます。本導入期間は通常1~3ヶ月程度です。

導入後のフォローアップ

MRPシステムの導入が完了した後も、継続的な運用管理とフォローアップが必要です。以下のステップを踏むことで、システムの効果を最大限に引き出します。

継続的な運用管理:

導入後は、システムの運用状況を定期的に評価し、必要に応じて調整を行います。これには、システムのパフォーマンス監視、問題の早期発見と対策、ユーザーからのフィードバックの収集などが含まれます。

サポート体制:

システム運用のためのサポート体制を確立します。これは、システムベンダーからの技術サポートや、社内のITサポートチームの設置を含みます。トラブル発生時に迅速に対応できる体制を整えることが重要です。

追加トレーニングと教育:

導入後も定期的に従業員への追加トレーニングを実施し、システムの新機能やアップデートに対応できるようにします。これにより、MRPシステムの効果的な運用を継続的に実現します。

選定基準: MRPシステム選定のための基準

MRP(Material Requirements Planning)システムを選定する際には、以下の基準を考慮することが重要です。

機能性

システムが必要な機能をすべて備えているかを確認します。これには、BOM(部品表)管理、在庫管理、需要予測、発注計画、生産スケジュールの管理などが含まれます。また、カスタマイズ可能なレポート機能やダッシュボードを提供しているパッケージもありますが、最初はあまり欲張らずに、MRPの本質的な機能に絞っているものを

選ぶと良いでしょう。

拡張性

企業の成長や変化に対応できる拡張性を持っているかを確認します。新しい機能やモジュールを追加できるか、将来的に他のシステムとの統合が容易かどうかを評価します。機能面でシンプルなものを選ぶのが良い、と説明しましたが、拡張性が高ければレポートやダッシュボード機能は専門的なパッケージや追加開発で十分補完できます。システムは徐々に育てていくものなので、拡張性については十分な吟味が必要です。

サポート体制

システムベンダーが提供するサポート体制を確認します。導入後のサポートが充実しているか、トレーニングプログラムが提供されているか、技術サポートの対応が迅速かどうかが重要です。

主要ソリューション紹介: タイ市場での主要MRPシステムの紹介と比較

長年タイ市場でMRPの導入を進めてきた当社が持っているMRPソリューションをご紹介します。これらはタイでの導入実績が多く安心してご利用できます。

Flex:

「FLEX」は、数多くのタイの製造業のお客様への開発・導入実績を元に、CSIグループで独自開発した生産管理フレームワークシステムです。「パッケージシステム」と「テイラーメイド開発」を組み合わせ、それぞれが持つメリットをかけあわせたセミパッケージで、カスタマイズや他システムとの連携がしやすいのが特徴です。

Factory-ONE GL:

日本での導入実績1,500本以上を誇る中堅・中小製造業向け生産管理システム「Factory-ONE 電脳工場 MF」。その海外バージョンが「Factory-ONE GL」で、タイを始めとした海外で必要な機能を標準装備しています。

各ソリューションの特徴を比較し、自社のニーズに最も適したシステムを選定することが重要ですが、当社はパッケージ選定や活用方法に関するコンサルテーションも含めてご相談いただけます。

選定プロセス: 適切なシステムを選ぶためのプロセス

MRPシステムを選定するためのプロセスは以下の通りです。

デモンストレーション:

各ベンダーからシステムのデモンストレーションを受けます。システムの操作性、機能の確認、ユーザーインターフェースの使いやすさを評価します。実際に操作してみることで自社のニーズに合致するかを確認できます。

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トライアル:

実際の運用環境でシステムを試用するトライアルを実施します。一定期間、限定的な範囲でシステムを使用し、実際の運用感を確認します。トライアル期間中に、システムのパフォーマンスや問題点を把握し、改善点を洗い出します。

 

評価と選定:

デモンストレーションとトライアルの結果を基に、各システムを評価し、最適なシステムを選定します。評価基準としては、機能性、拡張性、サポート体制、コストなどを考慮します。全ての基準を満たすシステムを選定することで、導入後の運用がスムーズになります。

いかがでしたか?MRPの導入についてイメージできたでしょうか。MRPは生産管理システムの一部ではあるのですが、その導入は意外にも慎重を期する必要があります。当社ではタイで長年培ってきた経験をもとに、パッケージ選定のご相談から導入、運用定着までのサポートを行っております。何かご不安がある場合には、お気軽にお声がけください!

次回は、MRP導入に必要な費用や導入効果について触れていきたいと思います。

お問い合わせ先

弊社では、MRPシステムの導入支援やカスタマイズサービスを提供しています。ご興味のある方は、こちらのお問い合わせフォームよりお気軽にお問い合わせください。

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