

導入事例:生産管理システム「Factory-ONE GL」、工程スケジューラー「Tri-C」
日本本社と一体となってシステム導入 - エクセル管理を廃止し業務効率化を実現


精密機械部品加工や精密機械組立を行う飯田精密株式会社様(以下、飯田精密様)のタイ拠点であるIida Seimitsu (Thailand) Co., Ltd.様(以下、IST様)は、医療機器から自動車・産業機械など多岐にわたる分野で活躍されています。
IST様では業務効率化を目指し、生産管理システム「Factory-ONE GL」と工程スケジューラー「Tri-C」を導入されました。導入から約1年経った今、導入のきっかけや海外拠点でのシステム導入時のポイント、導入後の効果についてお話を伺いました。
導入に至った経緯
IST様では「Factory-ONE GL」と「Tri-C」の導入前にも別の生産管理システムとスケジューラーを使用していました。しかし以前のシステムはさまざまな課題を抱えており、導入したもののシステムをうまく稼働できずに、導入前のExcel管理に戻ってしまっていました。そんな中、旧システム導入を行っていた会社がタイから撤退することになりサポートを受けられなくなることから、旧システム、およびシステム導入会社を切り替えるという決断に至りました。
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導入前の課題
データの手動連携による重複作業
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生産管理システムとスケジューラー間でデータ連携されておらず、手動でデータの連携を行う必要がありました。毎日何回も繰り返し行わなければならない作業に加え、データ連携の際にエラーも多発していたため、エラー箇所の発見や修正に手間がかかっていました。


生産スタイルの違いによる
データ精度の低下
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IST様の生産スタイルが多品種少量生産に対し、旧システムは大量生産向けだったため、対応可能なデータ処理件数がIST様で毎日必要な処理件数に対応できていませんでした。
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多品種少量生産では毎回マスターを作り、スケジューラーへの連携が必要であるものの、マスターの登録がきちんとできていなかったり、データ連携が難しかったことから正しい生産計画が作れていませんでした。


導入時のトレーニング不足
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導入時の教育が不十分だったため、担当者がシステムの使い方を理解していないまま本稼働が始まってしまいました。


システムがうまく稼働できず Excel 管理に戻ってしまったことで、データの重複管理が発生し期待していた業務効率化が実現できていなかったことが1番の課題でした。
「Factory-ONE GL」、「Tri-C」を選定された決め手

多品種少量生産 に合致した生産管理システムであること

現地でタイ語でのサポートを受けられること

日本語・英語対応であること
導入に向けて
導入が正式に決まってからはIST様の日本人管理者・タイ人業務担当者に加え、飯田精密様の経営層・システム担当者によるプロジェクトチームを立ち上げて導入を進めていきました。
IST様にはシステム担当者がいないため、飯田精密様の担当者がタイへ出張して要件定義、システム導入、運用サポートを行いました。
プロジェクト体制
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飯田精密様:経営層、システム担当者
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IST様:日本人管理者、実際にシステムを使用するタイ人担当者
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CSI:日本人PM、タイ人SE,PG

導入で苦労した点は、「Factory-ONE GL」、「Tri-C」導入前はExcelでの管理が中心だったため、システム用のマスターデータやトランザクションデータのクレンジングに時間がかかった点でした。またBOMの項目も改めて見直す必要があり、マスターの登録が本稼働直前になってしまいました。しかし、飯田精密様のプロジェクトメンバーが現地で導入サポートを行ったため、大きな問題はなく進めることができました。
海外拠点での導入について
海外拠点でのシステム導入ということで、プロジェクトメンバーに日本人もタイ人も参加する形となりました。CSIからも日本人エンジニア、タイ人エンジニア共に参加したためとてもコミュニケーションがとりやすく、日本国内のグループ会社にシステム導入するのと変わりなくスムーズに導入ができました。
また旧システムの課題であった導入時のトレーニングでも、弊社タイ人エンジニアからタイ語でトレーニングを行い、業務担当者がきちんと理解した上で本稼働に進めたことも導入成功のカギとなりました。
導入後の効果

Excel管理を廃止し業務効率UP

脱属人化

正確なデータの蓄積

データに基づいた経営判断
「Factory-ONE GL」、「Tri-C」を導入し、1番の課題であった業務効率化を実現することができました。これまでのExcel管理を廃止できたことで二重入力、三重入力の手間がなくなりシステムでデータの一元管理をしています。業務をシステムに適合させたことで作業か標準化され、今までひとりの社員に頼っていた作業を複数人が行えるようになりました。
さらには、生産実績や売り上げデータ等、システム内に正確な各種データを蓄積できるようになり、約1年経った今、その蓄積データを活用し数字に基づいて色々な判断ができるようになっています。さまざまな形で数字を見ることができるようになり、問題点の早期発見、生産効率の改善に繋げる取り組みも始めています。
これまでExcel管理していた手間を削減し業務が効率化されたことで、社内のモチベーションが上がったことも嬉しい変化でした。現場からもっと改善したい、きちんとシステムで管理したいという声が上がるようになり、社員の気持ちの面でも変化が生まれました。
今後は、「Factory-ONE GL」、「Tri-C」で立てた生産計画に対して機械の稼働実績のデータ取得・分析に取り組んでいきたいと考えています。
「Factory-ONE GL」、「Tri-C」選定~導入のプロセス
新しい生産管理システムの導入を検討し始めてから約2年かけてシステム選定、および導入を行いました。
選定段階では、本社である飯田精密様主導で基本方針を決定しIST様とも何度も打ち合わせを重ね検討を進めていきました。
企業プロフィール

本社所在地:飯田精密株式会社
所在地:長野県下伊那郡高森町下市田3111-1
設立: 1966年4月
資本金(万円):1,500万円
事業内容:精密機械部品加工、精密機械組立
導入企業名:IIDA SEIMITSU (THAILAND) CO., LTD.
所在地:Amata City Chonburi Industrial Estate 700/191 Moo 1 Baankau Phanthong Chonburi 20160
設立年月:2003 年 7 月
資本金(万THB):5,280 万 THB
URL:https://fact-link.com/mem_content.php?pl=jp&mem=00000123&page=00000341
※2024 年 3 月時点の情報です。